世界中で最も広く使われているオリジナルプラットフォーム。乗用車サイズのターゲットを載せ走行するために設計され、実車同様な操縦が可能です。
Soft Car 360®の制御に必要なすべて
DRIのGuided Soft Target(GST)試験システムは、先進運転支援システム(ASAD)や自動運転システムの安全性評価のために開発されました。GSTシステムは、ディファレンシャルGPSに誘導される硬い自走式Low Profile Robot Vehicle (LPRV、上の写真)と、Soft Car 360の様なそれに載せる衝突相手車両のリアルモデルである試験用ターゲットで構成されます。
最高速度は50 mph (80km/h)以上、減速度0.8gに達するブレーキ性能を備えたLPRVは、普通車のあらゆる挙動を再現すること可能なため、幅広い試験シナリオで使用できます。
必要な試験シナリオ全てに対応
LPRVおよびSoft Car 360は、実質的にどんな種類の衝突回避運転支援技術の安全機能評価にも適切で、特に走行中の二車間で密接なやり取りや精密な調整を要する場合に適しています。
運転支援技術の評価対象例
- 前方衝突警報(FCW)
- 衝突被害軽減ブレーキ(CIB) 自動緊急ブレーキ(AEB)
- ダイナミック・ブレーキ・サポート(DBS)
- 緊急車線維持(ELK)
- アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC) システム
- 正面衝突回避システム
- ブラインド・スポット・ディテクション(BSD)
- 車車間通信(V2V)システむ
- その他追突回避システム
- 自動走行システム
テストに最適の精密性及びコントロール
このシステムは、同期させた(試験車両とLPRVのそれぞれの)時刻と位置による軌道を、LPRVのオンボード・プロセッサーメモリーにロードして作動します。試験シナリオの設定に柔軟性を持たせるため、これらの軌道はカスタム・ソフトウェアで変更できます。試験車両とLPRVの位置はディファレンシャルGPSにより継続的に測定されます。試験車両の位置情報はワイヤレスLANでLPRVに送信され、予め定められたLPRVの経路と比較されます。そして、LPRVは、測定された試験車両の位置に対応する自身の目標経路上の位置に、常に自動的に移動します。
このようにして、LPRVとSoft Car 360は、事前に設定された衝突地点に、試験車両と同時に到着し、衝突前の挙動や事故パターンを繰り返し再現することができます。もし、特定の(例:衝突)地点で目標スピードに達することが重要な場合、LPRVのオプション・モードとして、試験車両に一定の条件(例:ブレーキ制動、ハンドル操作、警告)が発生した場合、自動的にスピード追従モードに切り替えたり、位置誘因(例:軌道上のある地点に達した時)を使うモードがあります。


安全設計


GTSシステムの重要な側面は、試験担当者や試験車両へのリスクが最小限、またはほぼ無いことです。LPRVはロー・プロファイルのため、試験車両の車体との衝撃を最小限に抑えられます。
LPRVを乗り越えるのは、減速帯を通過するのと似ています。LPRV制御システムの設計には、常に操作・管理の全ての制御を保証する数々のフェイルセーフ機能が盛り込まれています。試験担当者や被験者の安全のため、詳細な作業手順やプロトコールに従って作業します。
LPRVの動きは、試験車両と同期しながら、衝突の瞬間まで目標経路を追従するよう調整されます。衝突時には、Soft Car 360はLPRVから離れ、試験車両はLPRVを乗り越えることで、試験担当者のリスクや高価な試験車両への損傷の可能性を最小限に抑えます。
仕様表
スタンダード | 大型トラック | |
---|---|---|
重量、寸法 | ||
重量(kg) | 315 | 334 |
積載荷重(kg) | 120 | 120 |
全長 (m) | 2.8 | 2.8 |
全幅 (m) | 1.5 | 1.5 |
全高 (m) | 124 | 147 |
ランプ角 | 4.5˚ フロント/リア, 12.3˚ サイド | 4.5˚ フロント/リア, 12.3˚ サイド |
最低地上高(mm) | 30 | 30 |
性能 | ||
最高速度(km/h) | <80 km/h | <80 km/h |
衝突時の最高相対速度 (km/h) | >110 | >110 |
最低速度 (km/h) | 0 | 0 |
加速度 | ||
縦加速度 (g) | +0.11, -0.8 | +0.10, -0.8 |
横加速度 (g) | ±0.8 (ピーク) | ±0.6, (定常) |
経路追従精度(cm) | 縦横5 cm(定常状態) | 縦横5 cm(定常状態) |
一充電走行距離Soft Car 360を載せて)(km/h) | 4 0km/hで 6 km 20 km/hで13.5 km | 4 0km/hで 6 km 20 km/hで13.5 km |
遠隔操作範囲(m) | 1000 mまで | 1000 mまで |
衝突のタイプ | 追突、正面衝突、出会い頭、右左折時、追越・追抜時、すれ違い時衝突など | 追突、正面衝突、出会い頭、右左折時、追越・追抜時、すれ違い時衝突など |
測位精度 (cm) | 2 cm (試験車両およびLPRV) | 2 cm (試験車両およびLPRV) |
旋回半径(m) | <5 m | <5 m |
充電時間 | 40−60分(使い切ってからフル充電の状態) | 40−60分(使い切ってからフル充電の状態) |
衝突後の車体再組立時間 | 5分から10分 | 5分から10分 |
環境仕様 | 使用温度範囲:0-40C 乾いた路面(結露なし) | 使用温度範囲:0-40C 乾いた路面(結露なし) |
*ターゲットが空気力学的に安定して走れる最高速度
本製品は米国特許8,428,863でカバーされています